やまぐち2016短歌大会入賞者一覧

            やまぐち2016・短歌大会入賞作品

《一般の部》

山口県知事賞
施設には来し方語る人もあり 語らぬ人の骨太の指          湯木 月江

山口県議会議長賞
あの席に姿のなくて炭酸の抜けたるやうな秋の図書館         澤井 潤子

山口県教育委員会教育長賞
空蝉をTシャツの胸にとまらせて男の児は水のむ音立てて飲む     相本 絢子

日本歌人クラブ会長賞
観音が千手
開きて立つごとし夕日背にして燃ゆる大公孫樹            萩原 克則

下関市長賞
人参の色の空だと孫は言う人参嫌いが夕焼け指して          利長 さだお

下関市議会議長賞
しなやかに動くおゆびは文字となり二人は静かに会話楽しむ      中島 君枝

下関市教育委員会教育長賞
お隣は娘が帰りて婿がきて赤ちゃん生まれて足し算の家        田中 千佳子

下関市文化協会会長賞
「生きてるか」いつもの朝の息子の声酷暑のこの夏「水飲んでるか」  黒崎 千里

山口県歌人協会会長賞
亡母の名の墨薄れたる日傘さしヤマホウシ咲く山門くぐる       徳弘 尚子

讀賣新聞西部本社賞
消極の生き方少し変えてみむ雨を弾きて紫陽花揺れる         松村 早苗

朝日新聞社賞
今宵またほたる火一つよぎりたり逆縁の子の年忌近づく        兼子 春枝

毎日新聞社賞
さうですか掛かりましたかあの猪(しし)がとうとう昨夜(ゆんべ)かかりましたか  
  森田 アヤ子

山口新聞社賞
一本の補助線みつけ難問の幾何の解けたる夜の歓声          正木 紀子

中国新聞防長本社賞
秋雨に湿りたる土柔らかし大根蒔く畝ふかぶかと打つ         西元 静香

特別賞
お隣は娘が帰りて婿がきて赤ちゃん生まれて足し算の家        田中 千佳子

特別賞
三人の高校男子のあとにつき信号渡る少し胸張る           武重 周子

特別賞
術後検査終えし夫一局指し帰る待ちぼうけの日良き日と記す      越智 治子

特別賞
白き薔薇白きリネンに刺してゆく充足はただわがものとして      村岡 茂子

特別賞
あの席に姿のなくて炭酸の抜けたるやうな秋の図書館         澤井 潤子



《児童・生徒の部》 

山口県知事賞
崩れおる社の楼門その屋根に鋭く光るは阿蘇の神紋    
竹永 敦士 下関中等教育学校 五年

山口県議会議長賞
流れ星流れるたびに思うんだまるでだれかがくれた手紙 
進 碧優 一の宮小学校     五年

山口県教育委員長賞
かなうかなみんなの願いが笹の葉の間に揺れる七月七日
弘中 愛乃 光井中学校     二年

歌人クラブ会長賞 
葉を浮かし流るる川のよどみにも魚が戻る台風去りて
篠田 航平    下関中等教育学校 六年

下関市長賞
新学期いつもと同じ教室の少し変わったみんなの感じ 
木戸崎 弥柚    山の田小学校     六年

下関市議会議長賞 
熊本に一年ぶりの墓掃除倒れた墓石に四月を思う
内田 充咲  梅光学院中学校     一年

下関市教育長賞
夏の日の広く大きなあの海は世界をつつむ青い手のひら  
西江 茉莉    山の田小学校     六年

下関市文化協会長賞 
ちょっとしたノートのすみの落書きがあなたらしくて笑ってしまう
上田 真歩    下関商業高等学校 一年

山口県歌人協会会長賞
暑い日は日陰にころがる猫がいる私も混じって猫になろうか
柴野 千桜 日新中学校     二年

読売新聞西部本社賞
空ながめ母とさがした夏の星きれいにかがやくベガとアンタレス
北村 太羅 大海小学校     四年

朝日新聞社賞
砂浜で花火の光に照らされてかすかに見える水平線が
村上 唯奈 豊北高等学校     二年

毎日新聞社賞
小島さんどこへ行くのか教えてねわたしはきめたひまわりばたけ
齋藤 千暖    伊佐小学校     二年

山口新聞社賞
帰り道家への道が減る程に反比例する荷物の重さ   
内藤 叶登 勝山中学校     二年 

中国新聞社賞
会いたいと思う理由を変換し指がとまって送れないまま
森岡 彩乃  萩光塩学院高等学校 三年