お知らせ

2019.02.22 2018短歌大会入賞者を掲載しました。

2018年度短歌大会入賞者

やまぐち2018・短歌大会入賞作品


≪ 一般の部 ≫

山口県知事賞 
三百のてるてる坊主をぶら下げて菜の花祭りを子らは待ちおり       萩原 克則(柳井)

山口県議会議長賞
父よりの軍事郵便よみかへす我に父なき七十三年             正木 紀子(岩国)

日本歌人クラブ会長賞
天水の注ぎ込まれて峡の田は雲をあづかる生け簀となりぬ         藤井 重行(宇部)

山口県教育委員会教育長賞
駅のホームにパパーと叫び跳び付く児パパではないが少しこそばゆし    山口 健(岩国)

山口県歌人協会会長賞
里山へ続く棚田をとざしつつ濃くまた薄く霧流れゆく           吉村 京子(光)

防府市長賞
定年も賞罰もなく田に畑に励みて米寿の未だ現役             松原 八重子(柳井)

防府市議会議長賞
就寝時今日の一日に手を合わす重なる指のずれも直して          兼森 文恵(光)

防府市教育委員会教育長賞
放蝶式終えた八代の児童たち育てしギフチョウつぎつぎ放つ        西村 恵子(岩国)

防府市文化協会会長賞
橋に佇つわれも瀬に立つ釣りびとも霧につつまれ時空を越える       木村 桂子(岩国)

防府天満宮宮司賞     
燃料の切れて止まりし草刈り機補充してまで残りは刈れぬ         福本 和夫(光)

朝日新聞社賞
一枚田ソーラーパネルに覆はれて実り忘れし土を掴みぬ          前田 澄江(宇部)

讀売新聞西部本社賞
万葉の森に蓮華の開く音ま夏まぶしき光の中に              濱田 道子(下松)

毎日新聞社賞
一升の餅を背負ひてよろめくも小(ち)さきあんよはにっぽんに立つ     西原 孜(下松)

山口新聞社賞
病院ゆ見下ろす稲田の熟れ始む田ごと田ごとに色を違へて         福田 かつ子(下関)

中国新聞防長本社賞
ある時は講演の言葉とぎれつつ師を語る人の心を思ふ           原田 美枝(下関)



≪ 児童生徒の部 ≫

山口県知事賞
夏シャツのたなびくすそを直しつつきしむペダルをふみしめてゆく
                   山口県立高森みどり中学校一年     北川 律歩

山口県議会議長賞
風を斬り稲穂なびかせSLが走って行くよ今日は祝日
                   山口市立さくら小学校六年       西村 壮悟

日本歌人クラブ会長賞
帰り道君の一歩は大きくて振り向く君が私の名を呼ぶ
                   山口県立小野田高等学校二年      櫃田 美月

山口県教育委員会教育長賞
ハイジャンプ空へ飛ぶ瞬間感じれば恐怖すべてを夏風さらう
                   山口県立華陵高等学校二年       白井 亜香里

山口県歌人協会会長賞
一枚のかるたの札に手をのばしせめるぞ敵陣右下下段
                   下関市立一の宮小学校六年       田中 満百合

防府市長賞
いたずらな雨が全てをながそうとみなさえおればと祖父母が笑う
                   山口県立高森みどり中学校一年      山根 楓香

防府市議会議長賞
汗にぬれせわしく働くその人が「おつかれさま」と私に笑う
                    山口県立防府高等学校一年      村田 成美

防府市教育委員会教育長賞
学ランで応援合戦するあいだあなたにずっと包まれてるよう
                    光市立三井中学校三年        盛田 千尋

防府市文化協会会長賞
照りつける日差しに負けて髪を切るのぞく首元十六の夏
                    山口県立下松高等学校一年      白米 萌佳

防府天満宮宮司賞   
さかあがりぐるんとまわってなつのそらみあげてごらんうれしくなるよ
                    光市立三井小学校一年        河野 果歩

朝日新聞社賞
目を覚ましいつものように布団上げ学校行くのが僕の日常
                    光市立三井中学校二年        野村 慶

讀売新聞西部本社賞
大雨のニュースひなんの準備をし今日はやさしい兄に寄りそう
                    周南市立夜市小学校五年       山内 萌生

毎日新聞社賞
テストの点部屋で落ち込み転がって良しと声出し机に向かう
                    山口県立小野田高等学校二年     濱崎 祐也

山口新聞社賞
竹の川さらさらおよぐそうめんがつかまるもんかつるりとにげる
                    防府市立華城小学校二年       石田 透夢

中国防長本社賞新聞
気がつくと君を見上げる背の丈に少し前まで逆だったのに
                    岩国市立玖珂中学校二年       松本 歩紀


山口県歌人協会会長挨拶 会長に就任して 会長 長尾 健彦


この度、伝統ある山口県歌人協会の会長を引き受ける事となり、その重責に身のひきしまる思いがいたします。
昨年九月、山口県歌人協会創立五十周年記念『山口歌人協会合同歌集』が刊行されましたが、その年譜によれば、当会は昭和二十九年に山中鉄三氏編集による歌集発行を創刊としています。私の生まれる一年前です。昭和三十三年から友広保一会長、昭和四十九年から山中鉄三会長、平成十年から中西輝磨会長、平成十五年から音羽晃会長、平成十九年から森重香代子会長、平成二十一年から中川健次会長、平成二十五年から久保敬会長と錚々たる方々が五十年余の歴史を紡いで来られました。その後を繋ぐべき私の責任大なるものがありますが、顧問・理事の皆様方の助言を頼みとして頑張る所存です。また特に、当会の事務局と今年の光市開催の県大会の実行委員長もされる瀬戸内光氏には、大変でしょうが協力しあいながら光市の大会を成功させましょう。大島郡の大会では瀬戸内光さんに大変お世話になりました。
私は青潮短歌会で歌を学び、青潮短歌会の創始者橋本武子師と同じ大島郡に育ちました。長尾八幡宮の社家を継ぎ、故郷や家族を二十年間、歌に詠みつつ今年還暦になりました。短歌の世界ではまだまだ若輩者かもしれませんが、男の還暦は厄年、つまり役年で大変な役を戴いたと思っております。
『万葉集』は天皇から防人、詠人しらずまで同じ歌集に纏められていて、古来より、歌の前では日本人は平等なのです。多くの人が短歌に親しむようになって欲しいものです。会員各位にはご協力の程よろしくお願い申し上げます。